もとよりプロダクトデザインを学び、素材研究の視点からものづくりとの関わりが始まりまし
た。フィンランドの展示会で出会った長野在住の芸術家の“作品表現という生き方”に興味を
惹かれ、そのことが大きなきっかけとなり、いまの作品との“出合い”に繋がりました。
木を愛す。
素材を愛す。
自然を愛す。
それぞれの“生”を考える。
“こころ”を一生懸命に読みとる。
大自然が語りかける “生”と“こころ”をテーマに、木が生きた時間や歴史を灯りやオブジェで表現しています。
樹齢数百年の山口県産のマツの希少部位を素材として、灯り「零れ日/KOBORE–BI」を主に制作。素材の選定から20以上の工程を数年かけて一貫して行い、独自の轆轤技術で大径木から2~3 mmという極限の薄さで削り出します。
油分が多い希少部位のマツの素材性、年輪が側面にくるように薄く削り出す技術を活かし、中からあかりを灯すとマツの辿った時間や歴史を、紅く静かに視覚化することができます。
個々で違う木目(年輪)を紅々と見せる独自の作品 “零れ日KOBORE–BI” は自然の“生”そのものです。
木は切られることで植物としての生を失います。しかし木材という素材として私たちの生活の中にとけ込み、そこからまた新たな時間を刻み始めます。ひっそりと呼吸をしながら、しっかりと生きている。
自然はいつも私たちに “生” のあり方を語りかけています。
一生を終えた人も、人々の記憶の中でその後も生き続けることができます。木も人も時間や歴史を受け継ぐことができるのだと思います。
普段目にする木とはまったく異なる表情との出会い。素材に吹き込む新たな“生”をどう表現するのか。自然の一部である木の“こころ”を真剣に考え、そして読みとり、ひとつ一つ形にしていきます。
これまでのものづくりを考えつつ進み、一生懸命に生み出すこと。
“愛ある作品”について考え続けます。
木を愛す、素材を愛す、自然を愛す。
「零れ日/KOBORE–BI」の紅い灯りがより豊かに生きる“きっかけ”となりますように。